羊肉は、固いし、独特の臭みもあるしちょっと苦手・・・と思っている人が多いのでは?
日本では日常的に食べる習慣もなければ、スーパーに羊肉がずらりと並ぶのは北海道くらいかもしれませんが、世界には羊肉がメインという国もあります。
その中の一つが中国北西部、中央アジアに近い新疆(しんちょう)ウイグル自治区。
街中のいたるところに「羊」の文字が見られ、店頭に羊肉がぶら下がっていることもしばしば。
羊肉をこよなく愛する民族から学べば、おいしい羊肉にありつけるはず。
ということで今回紹介したいのは新疆ウイグル自治区でよく見かける、テーブルでラム串が焼ける「福羊楼」です。
卓上自動串焼き機が楽しすぎる
2021年6月11日に、北新地にオープンしたばかりの福羊楼のメインは店名にもなっている「羊」。
羊の成長段階によってラム→ホゲット→マトンと名前が変わりますが、福羊楼が取り扱うのは若くて柔らかいラム肉。
マトンに比べると臭みもそれほどなく、とっても食べやすいんです。
ただラム肉を食べるだけじゃなくさらにおいしく食べられる工夫が随所にされているのがポイント。
まずお店に入って気になるのがテーブルの中央にある銀の物体。
網があるわけじゃないけど、ラムを焼くものなんだろうな?といぶかしんでいると、イケメンのお兄さんが赤く燃えた炭をどんどん投入。
テーブルで炭火焼か!それはいいアイデア!
そしてやってきました、お店一押しの羊肉串。
銀の串にささっているのがアジアっぽいですね。
下についているコロコロは何でしょ?と思っていると、お兄さんが串を溝に差し、歯車のようになっているコロコロを穴にうまくはめていく。
自分でコロコロやりやすい工夫か!すごいと思っていたらもっとすごかった。
スイッチをオンすると、自動でコロコロ、回る回る!
そしてさらにすごいのは、絶妙な焼き加減にするため下の炭火も上下させる優れもの。
面白いわ、感動するわで、見ていて飽きない!
焼きあがったら上において、余分な脂を落とします。
しかも、上に置いておくことで温かさもキープ。
エンターテイメントをみているような楽しさ!
秘伝スパイスでうまみアップ
ジュージューとおいしい音を立てること10分弱。
炭火でじっくりコロコロと焼いたラム串はジューシーでうまみたっぷり。
ほとばしる肉汁のうまみは後味のキレもなかなかのもの。
ホフホフしながら食べていると、カラフルなスパイスがのったお皿が2枚運ばれてきます。
唐辛子とクミン、おそらく塩コショウ、うま味調味料なども入ったお店秘伝のスパイス。
クミンの量で辛さを調節しているそう。
少し大きめの固まりがクミンなので、辛いのが苦手な人は、固まりがないほうでご賞味を。
秘伝スパイスを惜しげもなくたっぷりとつけて食べると、味の濃淡、食感、香りが口の中を駆け巡り、食欲を刺激しまくり。
アジアンっぽいスパイスは一度食べたら忘れられない斬新さです。
ショルダーラック&ラム肩ロース
羊肉は豊富なビタミン、高たんぱく、低カロリーと女子が摂取したくなるものがたっぷり。
なので、まだまだ食べちゃいます。
骨付きの肩ロースは、しっかりと熟成をさせて甘みを閉じ込めています。
炭火でじっくり焼いていくと、これまた香ばしい香りが充満。
おいしく焼きあがる絶妙なタイミングでスタッフさんが食べやすい大きさにカットしてくれます。
ラム串よりも肉厚で食べ応えがあるのにむちゃくちゃ柔らかい。
ラム肩ロースはしっかりとした歯ごたえがあり、食べ応え抜群。
もちろん秘伝スパイスとの相性も抜群です。
羊肉は固いイメージがあり苦手意識が高かったはずなのに、焼き肉並みにペロッと食べられちゃいました。
焼き肉にはソーセージでしょという人におススメなのはラムソーセージ。
炭火でじっくり焼いているので、外はパリっと中はほとばしる肉汁がたまらん!
こんなに肉汁があふれだすソーセージってあります?というほど。
秘伝スパイスをつければ味変も思いのまま。
玉ねぎ、じゃがいも、キャベツなどの焼き野菜もスタンバイ。
ホタテや海老といった海鮮類、ホイルにんにくまであります。
中国で定番な副菜がずらり
ラム肉のほか中華料理で定番の副菜もスタンバイ。
一押しなのがピータン豆腐
ピータンとはアヒルの卵に炭火や塩などをまぜた泥状のものをぬり、数か月発酵させて作る中国では定番の食べ物。
コーヒーゼリーのようなプルンとした食感と緑色っぽい黄身が特徴です。
見た目だけだと、ちょっとグロテスクな感じがしますが、一度食べたら病みつきになるおいしさ。
うま味たっぷり濃厚味がたまらんのです。
ピータンを細かく刻み、豆腐とゴマ油と唐辛子であえた皮蛋豆腐は、ゴマ油の甘味、唐辛子の辛味が絶妙にマッチし、箸が止まらない。
ビールも進みます。
みんな大好きよだれ鶏は、甘酸っぱいタレがいいアクセントに。
お口直しにぴったりなのがコリコリ食感が病みつきになるクラゲの皮サラダ。
ほどよく酸味がきいたタレが食欲増進。
最後にがっつり食べたいという人は、中華料理の定番中の定番、麻婆豆腐で決まり♪
中国人シェフが作った麻婆豆腐は最初は甘く、後味は山椒のピリっとした刺激で爽やかに。
おなかいっぱいなのにスプーンが止まらなくなります。
最後にサービスで羊の骨のスープが登場。
「テールスープのようなうま味がありますよ」とのスタッフさんの説明を聞きながら、口に含むと、なるほど、確かにうまみたっぷり。
全く臭みもなく、体にじんわり染み入るやさしい味わい。
大根やニンジンにまでうまみが染みわたり、じっくり時間をかけて作っているスープということがよくわかります。
サービスだけれども、自分でオーダーしたくなるほどのスープです。
ドリンク類も豊富
ビール、ハイボール、レモンサワー、トマトサワー、ワイン、変わり種の赤玉パンチ、ノンアルコースビールまで種類豊富なドリンク類。
話題のサントリーのジン「SUI」もスタンバイ。
日本の食事にあう清々しく香るジンというキャッチコピーなだけあり後味爽やか。
肉料理にめちゃくちゃあいますよ。
JR北新地駅から徒歩4分。
ビルの5階にあるある福羊楼は大きな看板はないので、ビル名「エスパス北新地25」をめざしてくださいね。
見て楽しい卓上自動串焼き機、じっくり焼くからこそのジューシーなラム肉。
羊肉が苦手な人こそ食べてみてください。
今までの羊肉の概念が覆っちゃいますよ!