こんにちは!ライターのPanconoです(^O^)
今回は、2020年2月16日に大阪フェスティバルホールで開催された「オリンピックコンサート2020」のレポートをお届けします♪
オリンピックコンサートは、日本オリンピック委員会主催の音楽イベントで、1998年より東京を中心に開催されてきました。
映像と音楽により、オリンピックの理想や素晴らしさをアスリートともに共有することが目的の一つ。
6月23日のオリンピックデーを記念して、全世界で行われるオリンピックデーイベントでもあります。
今年は東京オリンピック開催年ということもあり、全国6か所計7公演を行うプレミアムバージョンで巡回。
大阪での公演は今回が初めてです。
大阪会場は、収容人数2700名、舞台間口30mの大空間を持つ大阪フェスティバルホール。
音響の良さを、‟天から音が降り注ぐ”と称されるほどのコンサートホールでもあり、フルオーケストラの音楽を奏でるためには最高の空間です。
総合司会を務めるのは藤本隆宏さん。アスリートとして、ソウル、バルセロナオリンピックの競泳で活躍した経歴の持ち主でもあります。
今は俳優として活躍されているので、テレビや舞台で見かけることも。
大阪会場ゲストとして迎えられたのは、奥野史子さん(水泳/シンクロナイズドスイミング、現アーティスティックスイミング)と、本田武史さん(スケート/フィギュアスケート)。
実際にアスリートとしてオリンピックの舞台で戦ったお二人も、観客席に着いて一緒にコンサートを鑑賞します。
第1部 1964to2016 輝き続けた夏の夢
指揮者齊藤一郎さんが、力強くタクトを振り、オリンピックに込められた情熱や希望を、オーケストラの音楽に変えて表現していきます。
1.今井光也作曲:オリンピック東京大会ファンファーレ
1964年、東京オリンピックの開会式に奏でられたファンファーレ。
映像には、競技場に設置された聖火台に点火されるシーンが大きく映し出されます。
「音楽に合わせて、浅田真央ちゃんの映像が流れ始めると、思わず涙が出てしまった。」と話す奥野さん。
ご自身のアスリートとして経験と、映し出された選手の姿を重ね合わせながら鑑賞されていました。
2.古関裕而作曲:オリンピック・マーチ
夏の全国高校野球選手権大会歌「栄光は君に輝く」などを含め、5,000曲余りを世に送り出した古関裕而さんの代表作。
3.ヴェルディ作曲:歌劇「運命の力」序曲
1800~1900年代を生きた、オペラ作曲家の大御所、ヴェルディの名曲。
4.ジョン・ウィリアムズ作曲:映画「E.T.」から“地上の冒険”
自転車カゴにE.Tを乗せて、主人公エリオットが月の浮かぶ夜空を飛ぶシーンの曲。
開放感のある心地のよいメロディが会場を包みます。
また、ジョン・ウィリアムズは「オリンピック・ファンファーレとテーマ」の作曲も手掛けた人物でもあります。
5.グリンカ作曲:歌劇「ルスランとリュドミラ」から序曲
東京1964大会後の、メキシコ1968からリオデジャネイロ2016までの映像と共に音楽が奏でられます。
小休憩
会場入り口には、「団結折り」をつくるコーナーも開設されていました。
折り方シートを見ながら、「団結折り」を作るお子さんの姿も。
松岡修造さんの、気合の入ったポスターを見ることも出来ます(^^♪
第2部2020へ、その先の未来へ、輝く夢に向かって!
6.オッフェンバック作曲:喜歌劇「天国と地獄」序曲
運動会といえばこの曲!という、おなじみの曲。
大阪フィルハーモニー楽団の皆さんが、快活に力強く曲を奏でます。
トークコーナー
第二部の中盤で、ゲストのお二人がコンサートの感想や、オリンピックでの体験談などを披露していただいました。
今年のオリンピックについて、という司会藤本さんからの話題に、「今年から、“シンクロナイズドスイミング”は、“アーティスティックスイミング”に競技名が変わり、芸術性に対する評価が一層強くなったように思います。
そのため、選手の演技がどんどんアクロバティックになっています。
飛んで、回転して、持ち上げられて、本当にすごくなってきている。」とこたえる奥野さん。
選手引退後、奥野さんは、シルクドソレイユの舞台でエンターテイナーとして活躍してきました。
今後については、「競技とエンターテイメント、両方の世界を知ったからこそできる新しい表現をしていきたい。」とコメント。
また、今は三人のお子さんを持つ奥野さん。
お子さんの成長を話されるシーンでは、ママとしての優しい表情も見せてくれました。
もうひとりのゲスト本田武史さんは、フィギュア男子の日本人選手として、オリンピック(ソルトレイク大会)で初めて4位入賞を果たした方。
「フィギュア界では、“日本人は勝てない”と言われたことがとてもショックだった。」と、選手時代に味わったつらい経験も語ってくれました。
オリンピック舞台での挑戦は、国籍の壁や人種の壁を打破したいという、本田さんの強い使命感も含まれていたのだとわかり、会場全体が熱くなります。
今は、アイスショーのスケーターとして全国をまわる本田さん。
ショーを通じて、アイススケートの素晴らしさをたくさんの人に伝えていきたいと話されました。
また、閉鎖されてしまうスケートリンクが増えていることにも胸を痛めており、そういった閉鎖を減らすことにも貢献していきたいそう。
7.チャイコフスキー作曲:幻想序曲「ロメオとジュリエット」から
惜しくもメダルや勝利を逃してしまった瞬間に見せる選手の表情が、画面に映し出されます。
それでもあきらめず、自ら試練や壁を乗り越えていく選手の表情へと映像が変わっていきます。
ドラマチックなメロディーが、映像と一体となって会場を包みます。
8.エン二オ・モリコーネ作曲:映画「ミッション」からメインテーマ
オーボエの美しいメロディーが印象的な曲です。
映像には、今年、東京2020へ向け闘志を燃やす選手たちの眼差しが映し出されます。
9.スピロ・サマラ作曲:オリンピック讃歌
オリンピック憲章にも定められているオリンピックの公式賛歌です。
大阪成蹊大学、短期大学、高等学校のコーラス部の方がオーケストラの音楽に歌声を重ねます。
10.アンコール、ニューシネマパラダイスより
鳴りやまない会場の拍手に応えて、アンコールを演奏もありました。
コンサート終了後のインタビュー
コンサート終了後、オリンピアンのお二人に感想を一言ずつ話していただきました。
(本田さん)「感動的でした。生オーケストラの演奏とオリンピック映像がシンクロしていて、涙なしでは観れなかったです。」
(奥野さん)「終盤の、選手の練習風景が胸に刺さりました。オーケストラの素晴らしい音楽とともに、選手時代の気持ちがよみがえって。音楽の力、音楽の素晴らしさを改めて感じることができました。」
また、シンクロとフィギュアは、曲に合わせて演技するところや、舞台が水(水面・氷面)であることなど、共通点が多いそう。
「自分の呼吸にピタッと合う曲だと、演技中全く疲れない。どのような音楽に出会えるかは本当に大切。」という興味深いお話もしていただきました。
アスリートはもちろん、そこに集うすべての人たちが輝けるように、そして世界中に希望をもたらす大会となるようにというオリンピックへの想いは、時を超え、世代を超えて継がれてきました。
そしてその思いは、いよいよ今年7月に迫った東京2020へとつながろうとしています!
画像は、「日本オリンピック委員会提供」