大阪・北新地と聞くとバー・ラウンジ、敷居が高そうな高級料亭などが思い浮かび、値段も高そうで、気軽に入れないイメージを持っている人が多いのでは?
実際、店構えは高級そのもの、一元さんお断りな雰囲気が漂っていますが実はそんなことはなく、一人で気軽にふらりと入れる店が結構あるんです。
「宮川町 水簾 北新地店」もその一つ。
本店は京都の会席料理激戦区宮川町。と聞くと、やっぱり敷居が高そうと尻込みするのはまだ早い!
圧倒的な感動が手ごろな値段で味わえる美味なる世界へご案内します。
暖簾の先には和みくつろげる笑顔
四ツ橋筋側、「北新地」の文字盤がある通りの1本南側の通り沿いにある「宮川町 水簾 北新地店」
京都の町屋風の格子戸と白い暖簾が目印です。
店内が見えないし、この扉を開ける勇気がない?
ではお見せしちゃいましょう!
桜の木を使った美しいカウンターが目の前に。
ほら、やっぱり無理!と引き返す前に料理長の笑顔がお出迎え。
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ!」
気さくな笑顔とやさしい声音で、自然と腰を落ち着けてしまうはず。
軽妙なトークで場をなごませつつ、季節感を感じるライブパフォーマンスはお見事の一言!
初めてなのに常連になった気分にさせてくれるプロの技の持ち主です。
旬の食材を使ったおまかせコース
メニューは、
店主おまかせコース 5,500円
店主おまかせ贅沢フルコース 13,200円
の2つのみ。
このお値段が高いか安いかは見て食べればわかります。
月替わりでメニューが変わるのでいついっても新しい味に出会えるのもうれしいポイント。
今回は、「店主おまかせコース」をいただきます。
1品目 先付け
キンキンに冷えたガラスの器にタコがちらり。
低温でじっくり調理したタコは歯切れのいい食感が小気味いい。
アボガドと思って食べた緑色のソースはなんと青梅。
梅香が後口を爽やかにしめてくれます。
一番下にひそむシャキシャキ食感の野菜は白ズイキ。
始めての味わいながら歯ざわりが気持ちよくすでにやみつき。
味と食感の調和が秀逸です。
2品目 お椀
ザッザッと骨を切る音がカウンターの奥から聞こえてきます。
夏の風物詩、ハモの登場!
ハモをさばくときの音に驚きを隠せません。
湯引きをするのかとしげしげと眺めていると炭火でじっくり焼いています。
そして出てきたのがお椀。
蓋をあけると、、
香ばしい焼きハモの香りがふわり。
皮は焼き目がついてほんのりパリパリ、身はふっくら食感。
なぜなら身の部分は焼かずに生の状態でお椀にいれたから。
京料理の定番、出汁もすっきりと優美で澄み切った余韻を残し、ひたすら感動の嵐。
焼きナスのとろっとした食感も味に変化を与えてくれます。
お椀なわりには、重いし、触り心地も陶器かなと思いながらすりすりしていると、「実はお抹茶のお椀なんです」と料理長。
器までぬかりなし!
器と出汁の余韻に浸っているとパチャパチャと水しぶき。
初夏が旬の稚鮎が元気に泳ぎまくってます。
今から食べちゃうと思うとかわいそうな気がしてきますが、これが食物連鎖となぜか一人納得。
3品目 お造り 2種
しまあじにとろりとかけられているものは昆布醤油。
昆布を乾燥し、パウダー状にしてから醤油と練った手間暇かかった一品でとろりとした昆布醤油としまあじのぷりっとした食感が絶妙なバランス。
まぐろのお造りにもと思いきや、こちらは海苔醤油。
焼き海苔をすり鉢でパウダー状にしてから仕上げているため、とっても香ばしい。
メインの食材を引き立てる隠し技がすごい。
料理長の手腕に感動しつつ、料理長をみると手慣れた手つきで稚鮎の処理中。
まさに職人技。稚鮎が美しくしなってます。
4品目 おしのぎ
稚鮎を焼いている間に、毛ガニのお寿司。
プリっプリの毛ガニが大渋滞(笑)
ぎゅうぎゅうに詰まってます。
しかも、キャビアと金箔付き♪
ご飯がとにかく甘くて、あっという間にペロリ。
ご飯のおいしさの秘密は後半にて。
ところで、調理中の稚鮎。相当暑かったんでしょうね。
口をぱっくりあけて焼き上がり。
おいしくいただかせていただきます。
もちろん、このままではなく美しくディスプレイをし、目でも楽しませてくれます。
5品目 焼き物
鮎の赤ちゃんなだけに、鮎独特に苦みはなく、ふわっとした身は食べやすく、頭まで丸ごと食べられます。
6品目 冷物
鰹と昆布の出汁だけで作った枝豆のスープは添加物を一切使わないナチュラル仕上げ。
枝豆の甘味に出汁がいいアクセントに。
7品目 変わり種
京料理にハンバーガー?と遊び心も忘れていません。
サンドされたのはうなぎと奈良漬け、そしてワサビマヨネーズ。
奈良漬けのシャキシャキ食感、うなぎのふくよかな旨味がワサビマヨネーズで最後はまろやかに。
とキュートなハンバーガーにほっこりしていると、またしても古き良き日本に戻されました!
釜めし登場です!
あのルイヴィトンの店で提供されているスガラボ米が食べられる
宮川町 水簾 北新地店のおすすめはもちろん京料理が誇る「出汁」ですがそれ以上に感動が味わえるものがあります。
お米です。
そんじょそこらの米じゃありません。
あの高級ブランドショップ「ルイヴィトン」が世界で初めて進出したレストランで使われているお米が食べられるです。
その名も、スガラボ米!
種まきから精米まで徹底管理し、玄米のまま貯蔵。
注文をうけてから50分かけて精米するこだわり。
もう、期待しかありません!
料理長自ら盛り付けてくれた茶碗をみると、す、少ない!
もっと盛って!と言いそうになりましたが、これは茶懐石で出される「一文字飯」と呼ばれる形。
8品目 ごはん
一粒一粒がピンとたっていてお米の美しさを感じます。
まずはそのまま一口。
お米の粒の食感、甘味が全力で口の中を駆け巡ります。
これぞ美味の極み。
お味噌汁はじんわりと体に染み入る滋味にとんだ味わい。
体が芯から温まります。
口中にあふれる出汁の旨味にうっとりしつつ、口に運ぶごはんとの交互運動が止まらない!
そして、出ました!明太子。
丁寧に皮をそぎ落としているので食べやすく、雑味も一切なし。
粒感と明太子の辛味、その中にひそむ甘味を感じる極上の付け合わせ。
9品目 デザート
最後のデザートまでぬかりなし。
宮崎県産マンゴーを使ったマンゴームースは言わずもがなのとろっと甘い味わい。
幸せの余韻がいつまでも続きます。
お米と出汁の原点を味わえる
料理長の手さばきをみるのもごちそうの一つ。
デザートを堪能しつつ、料理長をみると釜に残ったご飯でおにぎりづくり!
そうです。お土産です。
一つは先ほど悶絶した明太子。
もう一つは塩と胡麻。
おいしいごはんは塩むすびが定番ですからね♪
食材や味の重ね方、スマートで流れるような仕事ぶり、すべてにおいて超一流なのにも関わらず一瞬でくつろぎ空間に変えてしまう料理長の極上スマイルが魅力のお店。
お米のおいしさの原点と旬の食材を味わいにいってみてはいかがですか。
北新地は一元さんウェルカムですよ♪
大阪市北区曽根崎新地1-3-11 レジョンノールビル 1階
JR東西線「北新地駅」徒歩5分
06-6225-8809
12:00~15:00(LO13:30)、18:00~22:30(LO21:00)
公式HP