大阪メトロ都島駅から徒歩圏内。
閑静な住宅街に佇む「PARTENAIRE (パルトゥネール)」は、2021年3月12日にオープンしたばかりのベーカリー。
すでに地元リピーターの方から、「こんなパン作って!」というリクエストも受けるほどの愛されっぷりだそう。
どんなパンが並んでいるのか、さっそく行ってきました♪
目指すのは、日々に寄り添うパートナーのようなパン
店名の「PARTENAIRE (パルトゥネール)」は、フランス語で「パートナー」の意味なんだそう。
中林さん:「日々の暮らしの中で、パートナーのようなパンになりたいと思って“PARTENAIRE (パルトゥネール)”を店名にしました」
その言葉の通り、食パン、バゲット、クロワッサンなど、食事パン系が充実したラインナップになっています。
イチオシのパン・ド・ミ
中林さん:「“パン・ド・ミ”は、お店のロゴにもしている看板商品です。小麦本来の味わいや風味が出るよう、石臼挽きの小麦粉を配合しています。さらに、発酵バターミルクを加えることで、小麦の香りが引き立つようにしています。ほのかな甘みも感じられると思いますよ。」
パリパリっと音を鳴らす山のてっぺん。
スライスすると、熱で上へ上へと勢いよくのびた生地のスジがきれいに見えます。
味としての甘みは少なめですが、そのぶん小麦の甘い香りが全面に出てる感じです。
スウゥっと体になじむ、ほのかな塩味。
香ばしく懐かしい、ホッとするような後味。
この感じ、毎日食べても飽きないです。
耳のパリパリ感を楽しめるよう、少し厚めに切るのがオススメ◎
キューブ
中林さん:「普通サイズの角食パンと同じ湯種生地を使って、もっちりした食感に仕上げています。キューブ型がズラッと並んでるとかわいいし、食べきりサイズだと買いやすいでしょ^^」
種類は、コーンバター、クルミ、レーズン、チーズ、コンプレなどさまざま。
これからさらに増えるそう。
型に塗った油分を、側面の生地がほどよく吸ってくれているので、2日後食べてもパサつきを感じません。
焼き直しせずにそのまま食べる、“ミニ生食”がオススメ。
しっとり、もっちり、至福のひと口☆
バゲット
パン・ド・ミはもちろんですが、
中林さんが「実は一番食べてほしい」というのがこちらのバゲット。
中林さん:「小麦は、リスドォル、メルベイユ、ニシノカオリの3種を独自配合しています。ニシノカオリはお米に似た甘い香りや、皮がパリッと仕上がるところが気に入ってます。まずはそのまま、何も付けずに食べてみてほしいです。」
低温長時間発酵でじっくり粉と水をなじませた生地。
ハリとツヤのある側面。
ナイフを入れるとバリザクっとエッジの効いた音が響きます。
「あーこれこれ!この音が聞きたかった!」と思える、堂々としたクラストの音。
主張しなくても、香りをほのかに漂わせるだけで伝わってくる存在感。
水をたっぷり含んだ内層がキラキラしているのを見ると、食べる前から絶対美味しい!と思えてしまいます☆
中林さん:「独立前に勤めていた店のバゲットに魅せられて。ハード系って、固くて食べにくいからって敬遠されがちだけど、それ以上に人を魅了できる美味しさがあります。うちのパンで、今までバゲット食べてこなかった人の意識をくつがえしたいですね。」
クロワッサン コンプレ
白石さん:「クロワッサン生地に、三重県産の粗挽き全粒粉を捏ね合わせています。全粒粉のプチプチした食感や香りが特長です。フランス産AOP発酵バターを使ってるので、バターの風味もガツッときますよ。」
白石さん:「生地のミキシングを極限まで抑えて、歯切れの良さが出るようにしています。時間が経つごとにバターの香りって劣化してしまうので、生地が落ち着いたら手早く成形して焼きに入ります。」
ペタンと折り畳まれた生地が、再びもとの形に戻ろうとして扇状の広がりを見せています。
白石さんが「必要以上に生地を触らない」というだけあって、ふくらみ方が心地いいくらい無造作。
内層はこんな感じ。
成形をそのまま反映して、独特の層を作っています。
この層が、クロワッサンコンプレならではの食感を演出しているようです。
とにかく香りがいい!香りだけで満足できるくらいです。
発酵バターの芳醇な香りと、全粒粉特有の香ばしさのバランスが絶妙。
あんぱん
か、かわいい…!ぷっくり感がかわいすぎる…!
コロンとまあるくて、よく見るあんぱんより少し小ぶり。
ツヤツヤ光るパンのてっぺんに、パラパラっと黒ゴマがまぶしてあります。
中林さん:「天六(天神橋筋六丁目)にある“菊水”って和菓子屋さんのあんこがほんと美味しくて。それをどうしても使いたくて、お店の方にお願いしました。」
白石さん:「生地に使うのはブリオッシュ生地で、口どけよく仕上げてあります。」
ほどよく粒のある上品なあんこが、卵たっぷりのリッチな生地にクルンと包まれています。
サラサラっと溶けていくあんこに合わせて、生地もスウっと口の中で溶けていきます。
黒ゴマの香りが余韻に残ります。
ガレット・ブレッサンヌ
“ガレット”とは薄く丸い形をした生地。
ブレッサンヌとはフランス南東にあるブレスという町の名称。
なので、“ガレット・ブレッサンヌ”とは“ブレス地方のガレット”という意味だそう。
ブリオッシュ生地を丸く広げ、自家製クリームをたっぷりのせて焼き上げてあります。
白石さん:「サワークリーム、カスタードクリーム、クリームチーズ、クレーム・ドゥーブルの4種を混ぜて作っています。甘いけど後味がスッキリ、っていうのがこのパンの魅力。生地の粉はリスドォル1本。あんぱん同様この生地も口溶けをよくしたいので、グルテンを出さないように作ってます。」
フワフワっとした生地の歯切れよさ。
クリームチーズの酸味、カスタードクリームの甘み、クレーム・ドゥーブルのコク、サワークリームの爽やかな後味。
じわじわっとクリームがしみ込んだ、クリーム下の生地の食感は必食☆
KATSUO(カツオ)&子GATSUO(コガツオ)
片方の先端を2つに割り、魚のシルエットに似せた“KATSUO(カツオ)”。
中林さん:「バゲット生地をベースにして作ってます。中には、かつお節、アンチョビ、白ごま、モッツァレラチーズを練り込んでいます。この表面にある裂け目って、クープで作ってるんじゃないんですよ。生地のとじ目を上にして焼いてて。だからそれぞれのKATSUOが、思い思いの割れ方をします。一つ一つがちがう表情になるのがいいなって思うんです。」
白石さん:「最初はふつうの成形だったんですけど、遊び心から片方の先端を二つに割ってみました。そうしたら、しっぽのところがカリッとしていて一番おいしくなった 笑」
ピスタチオ
ツイスト状の成形が美しいドレープを表面に作っています。
白めに焼き上げられた生地の間から、ピスタチオの鮮やかなグリーンが顔をのぞかせます。
江戸鼠色の羽織から、チラッと見える裏地の甲斐絹という感じ。なんだか粋なコントラスト。
中林さん:「バゲット生地をベースに、油分と水分を加えてサクっと軽い食感に仕上げています。外サク、中モチです。」
シュトーレン
「PARTENAIRE (パルトゥネール)」では、クリスマスだけでなく、オールシーズンでシュトーレンを販売。
季節やイベントに合わせて色々なバリエーションを増やしていくそう。
お伺いしたときのシュトーレンはチェリー、桜、クルミが入った春のシュトーレン。
ピンク色のフチがキュート。
1本売りと、画像のようなスライス売りがあります。
自分ご褒美や、ちょっとしたプレゼントに♪
骨パン
ちょっとユニークなところだと、ネーミングが目を引く“骨パン”。
旨みがギュッと詰まった乾塩ベーコンをグルグルっと巻き込んであります。
パン飲みにぴったり◎
マリトッツォ
話題沸騰中のマリトッツォも冷蔵ケースに!
フルーツは季節によって変わるそうです。
買ってすぐ食べられるイートインスペースも
店内奥にはイートインスペースがあります。
焼き立てを買ってそのまま店内で食べることも出来ますよ♪
自家焙煎所から仕入れるこだわりのコーヒー豆を使って、丁寧に淹れてくれるコーヒーも楽しめます◎
ひとりでほっと一息つけるカウンター席も。
お客さまにメッセージ!
「日々の暮らしの中で、食卓のパートナーとなれるようなパンを、多くのお客様にお届けしたいと思っています。」
ハード系が得意な中林さんと、ヴィエノワズリー系が得意な白石さん。
ふたりでアイデアを出し合っていると、毎週のように新作が増えていってしまうのだそう。
何回足を運んでも、そのたび新発見がありそうですね♪